私はS&Cコーチとして数字を活用することを好みます。ワットバイクのよいところの一つに収集できるデータの質があると思います。私は集めたデータを理解しようと努めています。そのセッションが意味すること、アスリートが必要とするもの、データに関係する様々な事柄にフォーカスします。
大事なことは、それらの情報が信頼できて非常に有効であることです。生理学的にもバイオメカニクス的にも有効で、またデータがアスリートのモチベーションを高めて彼らの間で競争意識を高めてパフォーマンスやフィットネスの向上に繋がっています。
データをどのように活かしているかについてよい事例を紹介しましょう。あるグループの能力を高めたいとします。例えば60秒間にハードワークする能力です。60秒インターバルでもよいでしょう。その場合、ワットバイクで60秒間に達成する距離をボードに書き出します。選手たちは他の選手が達成した数値を見てジムは大いに盛り上がります。誰もが他選手のマックス値を破ろうと真剣になります。それにより非常に質の高いタフなワークアウトだけでなく素晴らしい競争環境も生まれます。
そしてそこで一つの設定ラインができ、それに対して一週間後、一か月後に再チャレンジしていくことができます。これがデータを有効活用する基本的な事例です。
私はラグビー選手にとって最も重要な評価値は体重当たりピークパワーだと考えています。これは基本的に体重1キロ当たりに発揮できる瞬間最大出力です。ワットバイクの6秒テスト、または30秒テストでも計測可能です。これを定期的に測定して進捗をモニターしています。理由はこの数値が加速能力、スプリント能力、そして跳躍能力とも非常に高い相関関係があるからです。
このような相関関係があることは、シーズンを通してバイクを使い選手の状態をモニターしていくことに役立っています。
チームとして各選手の個人能力の向上は明らかに重要な要素として努力しているところです。しかし各ポジションにおけるニーズや同じポジションにいる選手たちの評価も大事なことです。ここでもワットバイクが有用です。選手たちは6秒テストで確認できる体重当たりピークパワー値から逃げることはできません。
例えば3~4人が同じポジションにいれば各人に同じことをさせて比較しますがデータから隠れることはできません。皆、同じようにハードワークして同じ努力をしているように見えるかもしれません。しかし数字は噓をつきません。そして我々は高いアカウンタビリティー、説明責任を持つことができます。データは信頼できて有効です。
我々はワットバイクから得られる情報を使ってポジション間、或いは選手間の基準設定をすることができます。また、トレーニング処方をすることもできます。
ワットバイクから数値、サマリーと様々な情報を得ることができます。それらはアカウンタビリティーの面からも非常に重要なものです。
オールブラックスが立ち止まることはありません。常に進化を求めて前進しています。
データは評価のためのみならず進化の指標としても使われます。
例えば、体重当たりピークパワーが6ワットだとしたら、S&Cコーチ、選手はそれを6,1ワットにできることを知っています。我々は常に新たな領域、新たなベンチマークを追求しています。ワットバイクのデータがそれを可能にさせてくれます。
Nic Gill
S&C Coach
All Blacks, New Zealand
CONTACT