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【渋野日向子プロ専属トレーナー、斎藤大介氏に訊くゴルフトレーニング】

2022年08月26日 更新

先日の全英女子オープンにおける、渋野日向子選手の大活躍が記憶に新しいところですが、このところ、プロアマを問わず日本女子若手ゴルファーの世界を舞台にした躍進は目を見張るものがあります。そのなかで、選手たちのフィジカルトレーニングへの取り組みが話題になることも増えてきました。

早くから世界規模でトッププロに先進的なトレーニングを施し成果を挙げて、現在は渋野日向子選手の専属トレーナーを務める、斎藤大介氏に昨今のゴルファーのトレーニング状況についてお聞きしました。インタビューは、斎藤氏が8月にトレーニング指導の新たな拠点としてオープンしたばかりの越谷ゴルフリンクスの新トレーニング施設で行いました。



-最近の日本人女子若手ゴルファーによる世界での活躍は目覚ましいものがあります。彼女たちがトレーニングを積極的に行っていることとの関係性はあるのでしょうか?

「間違いなくあります。世界に目を向けても強いゴルファーのアスリート化の進行は顕著です。」

-どのような背景があるのでしょうか?

「以前も多くの選手たちが基礎的な体幹トレーニングをやっていました。逆に言うと、体幹程度をしていればよいだろうという考え方が支配的でした。今は選手たちの間で、ゴルフは超瞬発系のスポーツであるという認識が広まっています。実際、ゴルフはエネルギー的にも最も瞬発系のスポーツです。ヘッドスピードやボールスピードが数値化、視覚化されて情報伝播している。その点はSNSの影響も大きいでしょう。今やプロは皆、トレーニングをしていると言ってもよいくらいです。ゴルファーのアスリート化です。」

-アスリート化がもたらした変化はありますか?

「飛ぶ選手が強い、という状況がより鮮明になってきました。」


©斎藤大介 @golf_fit_japan・Instagram


-強い若手選手が多いという状況もそれが一因でしょうか?

「関係していると思います。瞬発力については、男子選手が30~40代でもピークが来ることと比較して女子選手のピークは早くくるように感じています。女子選手は瞬発力に加えて回復力も25歳を過ぎると落ちてくる傾向があります。これはホルモンの関係があるのかもしれません。そういう意味では女子選手こそ早くからトレーニングをすべきだと思います。若手ほどトレーニングとパフォーマンスの相関関係は高いです。トレーニングをしていない選手は若いころは勢いで勝てても衰えが来るのが早いです。若いうちからトレーニングをしていれば結果的に選手寿命も長くすることができます。」

-トレーニングの内容ですが具体的にはどのようなところに重点を置いているのでしょうか?

「トレーニングには色々な考え方、方法論がありますし、プロともなると各々でやっていることは違います。私の基本的な考え方としてピラミッドをイメージして話します。まず土台にあるべきは「柔軟性」です。関節可動域が非常に重要です。コントロール能力と言いますが、体を自由自在に動かす能力のベースになるものです。その上に、「基礎的な筋力」があります。これは怪我をしないベースにもなるものです。そしてピラミッドの最上位に来るのが「瞬発力」です。但し、土台となる二つ、柔軟性と基礎的な筋力がないところで、いきなり瞬発力を求めると体は壊れます。従ってトレーニングはこのピラミッドをよく理解したうえで進めることが必要です。一つ例外としてあるのはワットバイクです。ワットバイクで行う瞬発系トレーニングはいきなりでも怪我のリスクはほぼありません。」


©斎藤大介 @golf_fit_japan・Instagram


-トレーニングの目的というか成果として得られるゴールをどこに置いていますか?

「まずは飛距離です。それから、やりたいスイングができるようになること。即ち再現性を高めることです。また、最大の瞬発パワーをぶらさずに発揮できる能力。そういったところです。」

-先ほどワットバイクへの言及がありましたが、ワットバイクは主にどのような形で使っていますか?

「瞬発パワー能力向上が目的です。それ以外ではコンディショニングです。ワットバイクはトレーニングルーティンの中で最初に行います。まずはアップとして3分間ゆっくり漕いでもらい、Polar Viewで動作チェックを行います。それから少し休んで、3秒マックス+40秒レストを5セット入れます。これはもちろん計測を兼ねていますが、そのときのコンディションチェックにもなります。選手が疲労している状態では通常出るワットがでないということですが、面白いことに数値と選手の自覚が一致することが多いです。」

-ピークパワー計測を毎セッション行うことで相当なデータが蓄積されていると思います。パワー値とゴルフパフォーマンスの関係性などで見えていることはありますか?

「渋野日向子選手についてはピークパワー向上と飛距離向上に明らかな正の相関関係がありました。渋野選手を含めてこれまで約50名の男女選手にワットバイクを施してきました。このうちプロ選手は20名くらいです。グロスのピークパワーと飛距離には明らかな相関関係が見られています。ピークパワーの高い順に選手名を並べるとそれは飛距離順に並べるものと大きく違わないということです。最近では初めて指導するプロ選手のピークパワーを見れば飛距離の察しがつくようにまでなりました。これはスキルが高いプロ選手に限ってのことですが。」

-貴重なお話を有難うございました。渋野日向子選手の益々の活躍を楽しみに応援します。また、これから越谷ゴルフリンクス施設の最先端のトレーニングから渋野選手のように世界で戦える選手が生まれてくることを期待しています。


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