2022年11月3日、佐賀県カヌー協会でワットバイクトレーニング講習会が行われました。今回はSAGA2024(※)の強化対象となる、神埼ジュニアカヌークラブの選手たちを対象にしたもので、ガールズケイリンの選手でSSPハガクレアスリートの小林優香選手も講師として参加しました。今回のワットバイクの導入は、佐賀から世界で活躍する選手を育てるSAGAスポーツピラミッド構想(SSP構想)の下、行われています。
神埼ジュニアカヌークラブでは神埼市日の尺池を練習拠点に小中高生男女合わせて総勢28名のジュニアアスリートが活動をしています。クラブを率いる、園田里志氏(佐賀県カヌー協会ヘッドコーチ)は、「日本で一番小さなこの練習水域から世界で戦うアスリートを育てる。」という信念のもと日々、情熱的な指導を行っています。
近将来の目標として、インターハイ、国体、全中の優勝を掲げながらも現在、2名の女子中学生選手がナショナルジュニアチーム入りしているなど既に世界への歩みを着実に進めています。
このオフシーズンは新たに導入した10台のワットバイクを活用して徹底的にフィジカル強化を図る第一歩として、この講習会は行われました。
内容は、ワットバイクの基本理解からトレーニングに至るまで、小林優香選手によるデモンストレーション、実技指導、座学を含めた充実したものになりました。
会の途中には、数名の選手によるピークパワー(6秒)テストに続いて、小林優香選手がテストを実演、迫力のペダリングから一同驚きのスコアが叩き出されてその場が大いに盛り上がるという一幕もありました。
会の最後に行った質疑応答では、ジュニアアスリートからの質問は小林選手に集中。競輪選手になった動機に始まり、日頃のトレーニングのこと、食事のとり方から余暇の過ごし方に至るまで話が及びました。そして、会終了後もアスリートたちと小林選手の交流は暫し続きました。
園田里志ヘッドコーチにワットバイクを陸上トレーニングの主要ツールとして導入した背景、目的等について話して頂きました。
「カヌー競技のインターハイ、国体の種目は500m、200mの二つです。陸上で例えると800mと100mの要素を同時に必要とする競技です。ワットバイクで心肺機能、筋持久力、脚力を強化する狙いです。ワットバイクについては多くの競技でトップアスリートが使い、一流の指導者たちが評価している事例をいくつも見てきて、カヌーにも活かせると考えていました。
カヌーのエルゴメーターも使っていますが、これは一定水準以上の技術がないと使いこなすのが難しく、その点、ワットバイクはどの選手にも間違いなく適正な負荷をかけることができると判断しました。
今日の講習でPolar Viewの見方やこれを使った動作改善の理論を学びましたが、これはまさにカヌー競技の動作向上にも活かせると感じました。」
ワットバイクで鍛えられた佐賀県カヌー協会のジュニアアスリートたちの今後の活躍が楽しみです。
※SAGA2024 令和6年(2024年)に佐賀で開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の愛称
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