日本サイクルスポーツセンター(CSC)は、自転車競技の強化、普及を目的に様々な活動を行っているが、国際自転車競技連合、UCIのWorld Cycling Center(WCC:スイス)のサテライト拠点(Continental Development Satellite Shuzenji, Japan: CDS修善寺)として、定期的にアジア全域の中学、高校年代のアスリートを対象に測定やトレーニング指導を行っている。過去には、主催するトレーニングキャンプから、オリンピック・パラリンピック、世界選手権大会など世界規模の大会におけるメダリストを多数輩出している。
自転車競技選手の競技開始年齢は比較的、高い場合が多く、この年代で有望なタレントを発掘して、競技の専門的なトレーニングに導いていくというスキームを構築して世界で戦えるアスリートを育成できることは、この競技の一つの特徴である。
今年のUCIトラック世界選手権の女子ケイリンで日本人初の金メダルを獲得した、佐藤水菜選手は高校卒業後、日本競輪選手養成所に進み本格的に自転車選手としてのキャリアをスタートさせた。同様に日本勢では37年ぶりとなる男子ケイリンで金メダルをもたらせた山崎賢人選手は、大学卒業までバレーボールでプレーヤーとして活躍、また、男子スプリント及び男子チームスプリントで銅メダルを獲得した、太田海也選手は大学1年時までボート競技に取り組んでいた。
三人ともプロの競輪選手であり、その意味では日本の自転車競技が世界のトップレベルで戦うために競輪という事業が果たしている役割は極めて大きい。
Wattbike社とWCCが共同で作り上げた、UCI WCC プロトコル測定は、6秒(2回)、30秒、4分をオールアウトするプロトコルで構成されていて、CSCが行う中高生アスリートの能力評価には非常に適している。また、本部のWCCはもとより、CDS修善寺同様の各大陸に設置されたサテライトセンターにおいて共通のプロトコルでテストが行われることから、世界中のデータと比較することが可能である。
CDS修善寺では11月に香港から参加の男女3名と日本の中高生の自転車競技者及びタレント発掘事業(Jスタープロジェクト)で見いだされた男女9名の測定を行った。
日本人参加者の中には、17才(男)で体重60kgながら体重比ピークパワー(w/kg)で約22ワット、15才(男)で1600ワットのグロスピークパワーなど、高い将来性を感じさせる記録が確認された。
本年締結された、CSCと当社とのパートナーシップが今後、原石の発掘から育成のシステムの更なる強化を後押しする存在になるべく取り組んでいく所存である。
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