2026年1月26日、スピードスケート女子短距離の吉田雪乃選手がミラノに向けて出発した。
集大成となる大会では、2月9日の1000mと15日の500mに出場する。
当社は2025年4月から吉田選手のワットバイクトレーニングをサポートしている。
©2025 mmmayuko08_Photo
4月17日に活動拠点の盛岡で初めて吉田選手と対面して軽いトレーニングを行った。このときはまだオフ明けで体はほとんどトレーニングされていない状態であったが、非常に高いスプリント能力(最大瞬間出力)を確認できた。同時に持久的な要素である高パワーの持続能力も高いレベルにあり、当方はむしろここに大きな伸びしろがあると感じた。また、ペダリング動作がよく、ワットバイクのトレーニングによってその辺の潜在能力を引き出せる可能性が高いと判断した。
ワットバイクのトレーニングは2~3週間に一度行う、超高強度インターバルを軸に、ロングインターバル、中強度ビルドアップを組み合わせながら週に2~3回のセッションを試合期に入るまで継続した。主な目的を高パワー持続能力の向上として、そのためにミトコンドリアの質、量および最大酸素摂取量を上げていくことにフォーカスした。この時期のトレーニングにおけるポイントは超高強度インターバルを最大努力で行うこと、端的にはどれだけ追い込めるかにあった。当初は心理的限界のバリアが邪魔をして出し切れなかったが、徐々にそれを克服して追い込めるようになってきた。それにより、フィジカル能力の一部を示す定量的指標も向上を見せた。吉田選手がハードトレーニングに向き合い克服していこうとする姿勢には目を見張るものがあった。
当方は試合期へ移行する頃には吉田選手の体力的な進化を確信した。しかし、それが氷上のパフォーマンスにどのように影響するかは正直、見通せなかった。
試合期に入ってからは、レース日程、氷上練習、疲労度合いを考慮しながらも高強度トレーニングを一定のレベルで継続して行った。海外でのワールドカップ開催地においても拠点施設にワットバイクを配備してトレーニングの継続性を損なわないように努めた。
シーズン初戦となる10月24~26日に長野のエムウエーブで行われた、全日本距離別選手権で500mは37秒50(優勝)、1000mでは1分15秒43(3位)といずれも国内自己ベストを記録、そして12月26~28日に同地で行われた、全日本選手権では500mで37秒36(優勝)、1000mは1分14秒66(2位)とさらにそれらを更新した。
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吉田雪乃選手はこれまでの取り組みについてどのように感じているのか。
「ワットバイクトレーニングの効果をすごく感じています。特に、苦手意識のあった1000mのタイムが伸びているところです。600m以降のタイム落ちが少なくなりました。また、レースで苦しくなったときに、ワットバイクのトレーニングの苦しさに比べれば、と思えて頑張れるようになりました。」
そして、当社アドバイザーでやはり吉田選手のサポートを行っている清水宏保氏はこう話している。
「この短期間で選手がこれだけ変化したことに驚いています。本人も驚いているようですが。ワットバイク効果による体力面の進化が氷上のパフォーマンス向上に結び付いています。選手本人が進化していることを確認するのに時間がかかりましたが、今は自信になっています。むしろこれからの伸びが大いに期待できます。」
吉田雪乃選手が進化、成長を続けるバックボーンとして彼女の人間性があることは間違いないだろう。真っすぐで常に他者を思いやる性格は多くの人々の共感を呼び応援されている。国内最後の練習は長年拠点としている八戸のアリーナで地元の子供たちと一緒に行った。
2月の大舞台ではいつも通り一生懸命に全力で駆け抜ける姿を見せてくれるだろう。
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